「配当還元方式」徹底活用ガイド
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1誰へ移転するか 自社株対策によって株価を引き下げた場合でも、翌期にはまた株価が上昇してしまうことも珍しくありません。そのため、株価が最も低く評価されるタイミングを見計らって後継者などへ移転する対策と、一定の議決権を確保することも必要な場合があります。 そこで、この章では、自社株の移転対策と議決権確保の方法について解説します。 自社株の相続税評価額は、その株式等の異動後(贈与後又は相続後)の取得者が同族株主等であるか否かによって、その評価額は大きく異なります。78⑴ 個人間取引(贈与・相続)① 取得者が誰か(一物二価) 自社株の相続税評価額は、取得する者が誰かによって評価額が異なります。 同族株主等以外の株主(代表例は親族外の従業員など)が取得する株式は、「特例的評価方式(配当還元価額)」によって評価されますので、会社の財務内容や収益状況などに左右されることなく、1株当たりの配当金額を基に評価することとされています。 また、同族株主等であっても、支配権を有しない少数株式所有者で、かつ、役員でなれれば「配当還元価額」によって評価することとされています。 支配権を有する同族株主等については、「原則的評価方式」によって評価されます。そのため、当該会社の財務内容や収益状況によってその株価は予想外に高く評価されることもあります。 自社株は取得者が誰かによって「一物二価」によって評価されます。

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