相続税申告書 最終チェックの視点
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63第4節 借地権の推認2. 借地権の推定上記の事実関係からすると、山形産業株式会社は、被相続人である正昭さん所有のB土地を固定資産税相当額で借り受けて、自社の建物を建築し、使用していたと考えることができるでしょう。長男の正則さんの認識からすれば、B土地の借受についての認識が乏しいことから、使用貸借契約に基づく「土地の無償返還に関する届出書」の提出も当然ながらなされておらず、その場合には、借地権の設定時点で法人に「借地権の認定課税」がなされるべきであったということになります。本件において法人による建物の建築は10年以上前ということで、法人に対する法人税の課税については更正期限を経過しているものと考えられますが、既に借地権が移転されたものとして、相続税の課税関係を検討する必要があります。具体的には、B土地について、被相続人については「貸宅地」の評価を、法人については「借地権」の評価を検討することが考えられます。3. 土地の評価単位本件の場合には、土地の評価単位について留意しなければなりません。図2-7 土地の評価単位自己の所有する宅地に隣接する宅地を使用貸借により借り受け、自己の所有する宅地と一体として利用している場合であっても、使用貸借は原則として対価を伴わずに貸主、借主間の人的つながりのみを基盤とするもので借主の権利は極めて弱いことから、所有する土地と一体として評価することは馴染まず、それぞれを1画地の宅地として評価します。土地所有者(法人)土地所有者(被相続人)建物所有者(法人)AB

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