遺産分割編Ⅲ遺産分割の工夫者が、家庭裁判所の審判により民法958条の3の規定による相続財産の分与を受けた場合には、分与された時の時価に相当する金額を被相続人から遺贈によって取得したものとみなされます(相法4)。ただし、このみなし遺贈について適用される基礎控除や税額計算等は、相続税法4条の規定が「被相続人から遺贈によって取得したものとみなす」とされているため、遺贈の時すなわち相続開始の時のものによると解されています。◉特別縁故者に対する財産分与があった場合の相続税法の取扱い適用年分等基礎控除及び相続税の税額計算財産の評価相続税の申告期限相続税の基礎控除額(相法15)を計算する場合の「法定相続人」の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。そのほか、相続税の総額の計算(相法16)、生命保険金や退職手当金の非課税限度額の計算(相法12①)をする場合にも、同様にその放棄がなかったものとした場合の法定相続人をいいます。③相続税額の2割加算相続又は遺贈により財産を取得した者が被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の者である場合には、その者に係る相続税額に100分の20に相当する金額を加算した金額とする(相法18①)とされています。一親等の血族が、相続の放棄をすると、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939)が、血族としての身分関係が変動するわけではないので、相続税の額を加算する必要はありません(相基通18-1)。また、配偶者もこの規定の適用上、相続人であることは要件とされていませんので、同様に相続税の額を加算する必要はありません(相基通18-1)。④配偶者に対する相続税額の軽減配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けられる者は、被相続人と婚姻の届出をした者であることが要件とされていますが、必ずしも被相続人の相続人であることは要件とされていません。そのため、配偶者が相続を放棄した場合であっても、配偶者が遺贈により取得した財産があるときは、配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けることができます(相法19の2、相基通19の2-3)。また、配偶者が相続の放棄をしても相続税額の2割加算の対象とはなりません(相基通18-1)。71相続開始年の相続税法分与されたとき(年)の価額審判確定日の翌日から10か月以内②相続税法上の法定相続人の判定
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