相続税対策実践ハンドブック〔遺産分割・申告実務編〕
13/16

----その他の財産相続時精算課税適用財産課税価格相続税の総額各人の算出税額8,190相次相続控除額(※1)△1,200贈与税額控除-6,990納付税額*40,000万円÷(10,000万円-1,600万円)⇒100/100を超える∴100/100※2長女は相続の放棄をしたことから、相続人ではないので、相次相続控除の適用を受けることはできません。長男30,00030,00010,920長女30,00010,00010,00030,0008,190△1,200-6,990※11,600万円×100/100(*)×(30,000万円÷40,000万円)×10年÷10年=1,200万円2,730(※2)-△1,5001,230事実上の相続の放棄長女長男(単位:万円)10,00010,00010,9202,730△400△1,500830707.相続税の計算相続開始から3か月以内に家庭裁判所に申述して行うのが法的な意味での相続の放棄ですが、相続実務では、法的な手続をせずに、遺産分割協議に加わった上で、相続財産をまったく取得しないなどとする、いわゆる事実上の相続の放棄も行われています。このような事実上の相続の放棄は、被相続人の債務に関する取扱いを除き、法的手続による相続の放棄と同様の効果が得られるため、相続人間でトラブルがない限り、現実的な方法といえます。そのような場合に、この設例では事実上の相続の放棄を選択すれば、長女は相続人として相次相続控除の適用を受けることができます。④債務控除相続を放棄し相続人ではない者については、債務控除の適用を受けることはできません(相法13)。しかし、葬式費用については、被相続人の債務でないことと、被相続人の近親者が負担することになるケースが多いことから、実務の取扱いでは、相続の放棄をした者でも、葬式費用を負担した場合においては、その負担額は、その者の遺贈によって取得した財産(たとえば、生命保険金など)の価額から債務控除することができます(相基通13-1)。相続の放棄があった場合でも相続税法が適用されるものには、以下のようなものがあります。①特別縁故者として財産分与を受けた場合特別縁故者が財産分与を受けた場合には、分与を受けた財産は被相続人から遺贈によって取得したものとみなされ、相続税の課税の対象となります。被相続人の特別縁故家庭裁判所に申述して相続放棄⑶相続の放棄があった場合でも相続税法が適用される場合

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る