相続税対策実践ハンドブック[生前対策編]
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+'2*)2%,04'!$#,04$#'"+)"$8-7$8-7+#21963.963&8',04%8(,04)'"(+":;/5$8-7*+2$,04$##":;/5GI/B&.GI"B!!.しかし、「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」(評基通6、以下「総則6項」といいます。)としています。総則6項については、財産評価基本通達逐条解説において、「評価基本通達に定める評価方法を画一的に適用した場合には、適正な時価評価が求められず、その評価額が不適切なものとなり、著しく課税の公平を欠く場合も生じることが考えられる。このため、そのような場合には、個々の財産の態様に応じた適正な時価評価が行えるよう定めている」としています。明らかに節税目的で取得したと思われる不動産の価額について、他の納税者との間での実質的な租税負担の公平を著しく害するとして、総則6項の規定によって否認された事例に共通する前提条件には、以下のような事由があります。①被相続人が高齢で、かつ、病気で入院等をしているなど相続開始が近いことが推測できる状況にある②取得日と相続開始日が近い(どの程度の期間遡るのかの検討が必要)③相続開始後、比較的「短期間」で譲渡し、譲渡価額は取得価額と近似している④不動産の取得に際し多額の借入金を利用している⑤租税負担の実質的な公平を著しく害している⑥明らかに節税目的と推測される⑦利用する意思がみられない⑧財産評価額(申告)と時価との開差が大きいなお、課税庁は、多くの裁判例において、上記①ないし⑤に該当する事案については、評価通達の定める評価方法による評価額と、実際の取引価額との間に生じている開差を利用して、相続税の負担の軽減を図る目的で行われた行為を前提とするものと判定し、評価通達によらないことが許される特別の事情があるとして、総則6項の規定を適用しています。総則6項に関連する東京地裁の判決から共通する主な事実を一覧すると、以下のとおりです。'BHE?3'6@4),05A+'(16@E?3'7=4)234◉総則6項に関連する東京地裁の判決>*<2C-B.F9$B#.F9%B".D:;8'6@4

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