先生 間接税ならみんなの気づかない間に徴収できる、というのがミソなんだね。税金の歴史をみると、昭和の初めは間接税が6割以上占めてたけれど、戦後大幅に直接税に移行して、所得税や法人税中心の税制になったんだね。爽香 消費税って、いつできたんですか?直接税ではもはや増税できない平成元年に消費税導入4一郎 国税三法って、あと相続税ですよね。先生 そうそう、相続税や贈与税も、もちろん直接税だね。そうした直接税のウエートが年々高まって、昭和の終わりには7割以上になった。みんなの痛税感が高まって、もはやこれ以上増税なんかできない。そこで登場したのが「消費税」なんだよ。爽香 なんだか、スター誕生みたい。先生 まさに税金界のホープだね、消費税は。期待の星だよ。外国をみても、アメリカは直接税中心だけれど、ヨーロッパなんて、たいていの国で間接税のほうがウエートが高いんだね。その中心は「付加価値税」 ちょうど日本の消費税にあたる税金だよ。一郎 ヨーロッパの付加価値税って、高いらしいですね。先生 うむ、10%どころじゃないよ。20%前後が普通で、スウェーデンやデンマークなんて25%だね。日本もそこまでいくかどうか分からないけど、将来的には税率がだんだん上がっていくだろうね。先生 平成元年だよ。元年4月から、まず3%でスタート。その後、平成9年に5%、26年4月に8%、そして令和元年10月から10%に引き上げられたんだね。消費税が導入されて直接税のウエートが、最近は6割弱に下がったらしい。一郎 それでも6割ですか。先生 消費税導入の見返りに、所得税や法人税は減税するということで、そうした税金の税率がかなり下がってはきたものの、消費税の税率が10%でとどまってるうちは、その程度なんだね。爽香 わたし、いやだわ。消費税が上がったら、食べ歩きの回数減らさなきゃならない……。
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