プロフェッショナル消費税の実務
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現行制度(区分記載請求書等保存方式)インボイス制度開始R5.10.1インボイスの保存がない第2章軽減税率制度と適格請求書等保存方式登録事業者が発行したインボイスの保存が要件。消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者から行った課税仕入れは、仕入税額控除の対象とならない。インボイス制度(適格請求書等保存方式)R11.10.13年間課税仕入れにつき50%控除可能R8.10.13年間課税仕入れにつき80%控除可能インボイスの保存がないその後インボイスの保存がない課税仕入れは控除できない 免税事業者や消費者は登録事業者となることができないため、これらの者からの課税仕入れは、仕入税額控除の対象となりません。インボイスが交付されない課税仕入れは、仕入税額控除の対象から除外しなければなりません(新消法30⑦)。 現行制度との違いは、この点が大きいといえます。区分記載請求書等保存方式では、課税仕入れを行う事業者において、相手方(売手)が課税事業者であるか免税事業者であるかを知る方法はありません。売手が課税事業者であるかどうかを判断することができるのは、売手自身と税務署長だけです。したがって、売手が消費税の申告納税をしているかどうかを確認することなく、仕入税額控除を行います。そこで、消費税の仕組みとしては、免税事業者からの仕入れについて、「納税なき控除」が問題となります。 しかし、インボイス制度においては、インボイスは、売手がその取引に係る消費税を申告納付する証拠として機能し、売手による納税義務の履行を前提に、買手における控除の権利が確保されることになります。 インボイス制度においても、業種の特殊性から、売手のインボイスの交付を免除し、買手のインボイスの保存を不要とする取引等が設けられています。売手のステイタス(課税事業者か免税事業者か等)にかかわらず、請求書等を保存して仕入税額控除を行う。992.課税仕入れに係る6年間の経過措置 激変緩和の趣旨から、インボイス制度の導入後6年間は、インボイス制度において仕入税額控除が認められない課税仕入れであっても、区分記載請求書等保存方式において仕入税額控除の対象となるものについては、次の割合で仕入税額控除が認められます(平28改法附52、53)。

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