移転価格の実務Q&A
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105〔国外移転所得金額の返還〕以前、日本で移転価格課税を受け、その後、二重課税の排除のための相互協議を申し立てていたところ、当局間の合意が成立したとの連絡を相互協議室からもらいました。そこで、二重課税となっていた所得金額については、国外関連者たる海外子会社から、返還を求めたいと考えています。ところで、課税を受けた際に、法人税申告書別表4において、「国外移転所得金額」とし、利益のその他流出として処理をしています。返還を求めて受け入れる際には、どのように処理を行えばよいか教えてください。また、外貨建てにて取引を行っており、当初、取引を行った為替レートと異なることが想定されます。それにともなう処理は、どのようにすればよいでしょうか。「国外移転所得金額の返還に関する届出書」を、法人が、国税局調査課所管法人に該当する場合には、2部をその納税地の所轄国税局長に、税務署所管法人であれば、1部を納税地の所轄税務署長に提出することになります。提出は、返還を受ける前に、適宜の記載を行い提出することになるため、返還を受ける予定日までに余裕をもって提出しましょう。なお、実際の受領などの事務手続は、担当する部門等が行うことになるため、事前に担当部門等へ連絡のうえ、提出するのが望ましいといえます。外貨建て取引にかかわる為替換算差損益は、返還を受けた日を含む事業年度の益金または損金として処理することになります。◉解説◉1届出書提出の目的移転価格課税を受けた場合、国外移転所得金額の取扱いは、その全部ま552│

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