移転価格の実務Q&A
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図表12-4Pの全体損益計算書と個々の取引の関係まず、売上高の100は、価格Pと数量Qとを掛け合わせた総額として表せます。製品1の売上(P1×Q1)は、製品1のCOGSの(P’1×Q’1)が個別(直接)対応するわけです。Qは1個である場合もあれば、複数あるいは10個単位や100個単位などのユニットとして捉えてもよいのですが、いずれも同一品であることを前提としています。そして製品2、製品3についても、売上とCOGSとが、各々(P2×Q2)と(P’2×Q’2)、(P3×Q3)と(P’3×Q’3)となり、製品nの(Pn×Qn)と(P’n×Q’n)まで続きます。こうして全体の売上高はΣ(Pn×Qn)、COGSはΣ(P’n×Q’n)と表すことができます。繰り返しになりますが、移転価格は、個々のP1、P2を問題にしているのであり、それらの比較対象取引を直接見い出すことが、情報収集の点などから困難であることから、(P1×Q1)-(P’1×Q’1)という形をとっているに過ぎません。非関連者たる第三者の価格の情報が入手できるのであれば、その情報こそが移転価格の検証を行う上では、最も強い情報であり、利用されることになるのです。そして次に、売上と個別(直接)対応のある(P1×Q1)-(P’1×Q’1)の結果である売上総利益についても、非関連者たる第三者のそれに関する情報が入手できるのであれば、SG&Aの配賦を行った結果求められるOPよりも、より強い情報となり利用されることになります。なぜならOPは、Ⅱ.取引単位│055売上高(Sales)=Σ(Pn×Qn)(P1×Q1)(P2×Q2)(P3×Q3)(P4×Q4)(P5×Q5)………(Pn-4×Qn-4)(Pn-3×Qn-3)(Pn-2×Qn-2)(Pn-1×Qn-1)(Pn×Qn)(P’1×Q’1)(P’2×Q’2)(P’3×Q’3)(P’4×Q’4)(P’5×Q’5)………(P’n-4×Q’n-4)(P’n-3×Q’n-3)(P’n-2×Q’n-2)(P’n-1×Q’n-1)(P’n×Q’n)売上原価(COGS)=Σ(P’n×Q’n)販管費(SG&A)---100603010-==配賦計算営業利益(OP)

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