移転価格の実務Q&A
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1〔日本の移転価格税制〕日本の移転価格税制とは、どのようなものですか。端的に言えば、法人と国外関連者との取引が独立企業間価格で行われていない場合には、その取引を独立企業間価格に引き直して課税所得を計算するというものです。◉解説◉回答は、国税庁による平成3(1991)年の『改正税法のすべて』の一文です(下線は筆者)。キーワードは下線を引いた、①国外関連者、②取引、③独立企業間価格の3つです。これらの関係を理解するためにイメージ化したのが図表1-1です。PとSとは、互いに触れあうことのできる関係です。つまり、互いに意思疎通を行い、意図的に、あるいは、馴れ合い的に都合のよい価格で取引を行い得ることのできる関係です。そのような取引を国外関連取引といいます。一方、AとBは、触れ合うことのできないあㅡかㅡのㅡ他人です。あくまでも経済合理性に基づき、いわばドライにビジネスライクで取引を行う関係です。そうした取引を非関連者間取引といいます。図表1-1移転価格税制のイメージⅠ.独立企業原則と移転価格の本質│003日本海外PS国外関連取引日本海外AB非関連者間取引触れあうことのできない距離=独立企業間(Arm’s Length)

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