第1節 法人税法22条の概要要するに、損金の額は、別段の定めがあるものを除き、1号の原価の額、2号の販売費、一般管理費その他の費用の額、3号の損失の額で構成されるということである。法人税法22条3項1号の原価の額は「当該事業年度の収益に係る」原価の額である。当該事業年度に計上する原価の額は、収益と個別的に対応するものであり、言い換えれば、原価の額の計上時期は対応する個別の収益の計上時期に依拠することを明らかにしているのである。収益認識会計基準や法人税法22条の2は、基本的には、当該事業年度の益金の額や収益の額について定める22条2項に影響を与えるものである。もっとも22条3項1号は、当該事業年度の原価の額は当該事業年度の「収益に係る」原価の額としている。原価の計上時期のエスコート役として「収益」を“指名”していることからすれば、収益認識会計基準や22条の2は、間接的には、この原価の額に対しても影響を与えることになる。差し当たり、収益をいつの事業年度に計上すべきであるかという点は、当該事業年度に計上される原価の額を左右するため、収益認識会計基準や22条の2は、22条3項1号の原価の額、ひいては当該事業年度の損金の額に影響を与えるという程度の理解をしておこう。また、適用指針の中には引当金を計上する旨定めるものがあるが(指針34、90、91、134、162、163)、現在、法人税法では貸倒引当金以外の引当金は認められていないと解されていることに注意が必要である(法法22③括弧書、52)。費用(償却費以外■費用■当該事業年度終了■日■■■債務■確定■■■■■■除■。)■額 三 当該事業年度■損失■額■資本等取引以外■取引■係■■■31
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