最近の企業活動の多様化や国際化、取引形態の変化、新しい会計基準の公表等により、法人税に関する規定もますます膨大なものになり、その内容も複雑なものになってきています。 本書は、法人税実務での重要事項や疑問に思われる事項等を、幅広く問答式で解説しており、毎年、税法の改正や新たな取引・事象の発生等に対応して改訂を行ってきました。 令和4年度の法人税制の改正では、給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除制度の見直し、中小企業者等以外の法人に対する一定の税額控除の適用要件の見直し、少額の減価償却資産や一括償却資産等からの一定の貸付用資産の除外などの改正が行われました。また、令和4年4月からのグループ通算制度の適用にともない、受取配当等の益金不算入額の計算や寄附金の損金算入限度額の計算等に係る令和2年度の改正事項が適用されています。令和4年度版では、こうした改正項目のうち主なものを織り込むとともに、通達の改正等に対応し、また、新たな事例を追加し、補正加筆しています。 法人税の研究には、税法とその関連の政令、省令、通達だけでなく、企業会計審議会や企業会計基準委員会から公表されている会計基準及び適用指針等の研究を、欠かすことはできません。本書では、上記の基準等のほか、日本公認会計士協会の各種の報告も織り込んで解説していますが、筆者の考え方の不足しているところなどお気付きの点は、ぜひ御指摘賜りますようお願いいたします。 令和4年10月は し が き著 者
元のページ ../index.html#2