地代・家賃改定の実践手法
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 不動産を賃貸している人は、その有効活用のために、地代や家賃を増額したいと思われるでしょうし、不動産を賃借している人は経費削減のために、家賃や地代を減額したいと思われるでしょう。また、実際に賃料の増額や減額の請求をしている人、逆に請求を受けている人もいるでしょう。 しかし、そのようなときに、どのように交渉をすればいいのか、どの専門家に相談し、どのように専門家の力を借りたらいいのかと、戸惑うことも多く、悩まれるのではないでしょうか? また、そもそも賃料とは何か、賃料増減の請求はどのようなときにできるのか、その請求はどのような手続きによればいいのか、どのような増減額が適正かなど、知りたいことが沢山あるのではないでしょうか? 賃料増減請求の多くの場面において、交渉や訴訟を代理するのは弁護士ですが、賃料増減額の評価を行うのは、不動産鑑定士です。両者とも賃料増減額に関わる専門家ですが、その役割には違いがあります。そのため、賃貸借契約の当事者だけでなく、実は、弁護士も、不動産鑑定士も、それぞれの専門的知識や経験だけでは、賃料増減請求に十分に対応できないのです。つまり、賃料増減を適切に行うためには、当事者と弁護士と不動産鑑定士の協力が不可欠と言えます。 実際の賃料交渉や訴訟の場面において、弁護士だけが関わり、不動産鑑定士が参加していないことが意外と多いものです。その結果、適切でない額で賃料改定が行われ、しかもそのことに当事者が気づいていないことも多いと思われます。それを回避するためにも、賃料増減請求の場面で積極的に不動産鑑定士を活用していただき、賃料交渉を有利に進められるようにすることが望ましいと思います。まえがき

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