地代・家賃改定の実践手法
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281 条文の趣旨 本来、私人間の権利関係は、契約の自由、私的自治の原則によって決定される。売買契約でも賃貸借契約でも然り、売買代金も新規賃料も、両当事者の合意によって決定され、法はそれに関与しない。これが私法の大原則である。しかし、借地借家法第11条及び同法第32条によれば、当事者間の合意がなくとも、一方当事者の一方的な請求によって、契約当初の約定とは異なる賃料の増減がなされることになる。このように、両当事者の合意がなくとも、単独の意思表示によって法的効果を発生させる権利を「形成権」と呼び、同条文はこの「形成権」を定めるものである。 では、なぜ上記のような形成権が認められるのであろうか。(1)事情変更 借地借家法第11条及び同法第32条の趣旨は、「事情変更」にある。 借地借家関係は、売買契約等と異なり、継続的な法的関係が長期間に及ぶ。そうすると、借地借家契約の経済的対価である賃料につき、長期間の時間的経過によって周囲の環境や物価等が変化し、契約当初の合意のままで維持することが、当事者間で不公平となったり、また、むしろ当事者の真意に反したりする場合が生じかねない。 そこで、契約締結後の「事情変更」を踏まえ、賃料増減額の効果を発生させるため、形成権を認めることが、当事者間の公平を図ることに繋がるのである。 このように、同条文は、「事情変更」のもとで当事者間の「公平」を図る点に趣旨があり、その限りで、私法の大原則である「私的自治」を制限

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