激変する既存住宅ビジネスと税制活用
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第1章 顕在化しつつある空き家問題22033年、空き家率は30%を超える?1(1)両隣の家のうち片方が空き家になる「2033年、日本の空き家率は30%を超える可能性がある」との予測を、筆者が率いる株式会社野村総合研究所(以下、NRIと略す)の研究チームでは発表している(図表1)。空き家問題は、人口・世帯数減少時代に我が国が直面する様々な社会問題のなかでも、生活者にとって非常に身近な問題であるため、各種メディアからの注目度も高い。空き家率が30%を超えるということは、どういう状態か?想像してみて欲しい。3軒に1軒が空き家ということであるから、自分の家を中心に考えると「両隣の家のうち片方が空き家」という状態である。都会のマンションでは、隣にどんな人が住んでいるかも分からないことが珍しくない図表1総住宅数・空き家数・空き家率の推移と予測総住宅数・空き家数→予測値実績値←(年)(万戸)(%)268 330 394 448 576 659 757 820 1,078 1,404 1,773 2,167 3,545 3,861 4,201 4,588 5,025 5,389 5,759 6,063 6,367 6,646 6,900 7,126 7.6%8.6%9.4%9.8%11.5%12.2%13.1%13.5%16.9%21.1%25.7%30.4%0%5%10%15%20%25%30%35%01,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,000197819831988199319982003200820132018202320282033空き家数(左目盛)総住宅数(左目盛)空き家率(右目盛)出所)実績値:総務省「住宅・土地統計調査」予測値:NRI(2016年6月発表)空き家率

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