建設業は、社会基盤の形成と快適な生活の維持向上に貢献しており、基幹産業としての役割をはたしています。建設業は重要な産業ですが、その足元の工事現場では、技能労働者の不足、品質面のトラブル、労働災害の減少の頭打ちなど多くの問題が発生しています。これらの問題の解決にあたっているのが、現場の第一線で活躍している職長・安全衛生責任者です。建設業は、職長・安全衛生責任者の力量を頼りに工事を進めているといえます。したがって、いまもっとも求められているのは、職長・安全衛生責任者の能力の向上です。技術・技能、安全、監督・指導などの面で能力を磨き、工事現場の施工・安全面で実力を発揮していただかなければなりません。平成29年2月20日付けで、厚生労働省通達「建設業における職長等及び安全衛生責任者の能力向上教育に準じた教育について」(基発0220第3号)がだされ、「職長・安全衛生責任者能力向上教育」を実施する際の「教育カリキュラム」が示されました。このテキストは、厚生労働省の上記カリキュラムに沿って、「職長等として行うべき労働災害防止に関すること」、「労働者に対する指導または監督の方法に関すること」、「危険性または有害性等の調査等に関すること」を網羅し、わかりやすくイラスト入りで説明しています。また、グループ演習のテーマとして、災害事例研究も取り入れています。職長・安全衛生責任者能力向上教育を行われる際には、ぜひ、このテキストをご活用ください。 平成30年3月職長の安全と監督能力アップをめざしてこの本をご活用ください。はじめに東京安全研究所 所長 林 利成
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