不動産有効利用のための 都市開発の法律実務
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342 第5部 建築基準法とその法的性格まず,設計事務所なり建設業者が建築主の意向にそって設計図書をつくり,それを建築確認申請書に添付して,建築主を代理して市区町村の建築指導課など,または民間の指定確認検査機関に提出します。そして,市区町村に提出した場合には,その建築指導課にいる建築主事なり,その補助職員から,民間の指定確認検査機関に提出した場合にはその確認検査員からいろいろ質問されたり,指導されて設計図書を訂正したりして,建築確認済証を受けとってから,安心して,建築工事に着手するという順序になります。建築基準法には,建物を建築しようとするとき,原則として(注),こういう建築確認の手続きをとらなければ,建物を建築してはならないと定められています。(注) 都市計画区域内または準都市計画区域内(以下,「都市計画区域等内」といいます)に建築される通常の建物(a)または,都市計画区域外の特定の建物(b)については,建築確認を受けなければ建築することができないよう定められている(建基法6条)ということです。なお,(a)および(b)については13~15ページ参照。2 建築主事等は確認申請を何によって判断するのか ――法律,命令,条例では,このような建築確認申請を受理した市区町村の建築指導課等にいる建築主事や,民間の指定確認検査機関の確認検査員(建築主事等)は,どのような基準に照らして,その申請を確認したり,確認しなかったりするのでしょうか。建築主事等は,自分の個人的な趣味や主観的な理論で可否の判断をするものでないことは当然です。その建物の計画が,その「建築基準関係規定」に適合しているかどうかを審査し,そして,適合していると判断すれば「確認」をして,「確認済証」を交付するし,適合していないと判断すれば「不確認」の通知(注)をするようになっています(建基法6条①,6条の2①)。(注) 建築基準関係規定に適合しない旨およびその理由を記載した通知書。なお実務上は,適合していない申請について,適合するよう指導し,そのように申請内容を訂正させて,確認するようにしているのが通常です。

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