中小建設業のための“管理会計”読本
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第Ⅶ章個別工事の原価管理実践1受注前段階における原価管理1源流管理(上流管理)としての原価企画の登場 原価企画については、一般的な生産企業の活動において発展してきているので、建設業における個別工事の原価管理においても、十分にその適用可能性を有していますから、ここにおいても取り上げておきます。 原価企画は、近年、生産活動の開始される前段階、すなわち事前(ex-an-te)における原価管理手法として大いに注目されています。建設業のような受注請負の一品生産活動に対して、どのような役割を果たし得るか、具体的な適用について考えてみましょう。 伝統的な原価管理は、既に解説したように、標準原価の活用による原価維持の機能を出発点として発展しました。さらに、製造・販売のプロセスにおける現場でのさまざまな工夫を図って、既存の原価(コスト)を低減しようとする試み、すなわち原価改善(カイゼン)に関心が移っていきました。これには標準そのものを積極的に見直そうとする活動も含まれます。 原価維持では、標準づくりの過程において経理業務部門が主導的でした。しかし、原価改善では、生産現場の工夫が中心になりました。VEのような工学的な手法を駆使しようとすることからも理解できましょう。154◆第2部 建設業における原価管理(コスト・マネジメント)
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