実務対応 病院会計
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Ⅰ 今までの病院に係る会計基準の設定の推移 9活動分類別(業務活動、投資活動、財務活動)に示した計算書であり、貸借対照表や損益計算書では読み取ることが困難な資金の動きを明確にするものである。キャッシュ・フロー計算書は、採用する会計方針の違いによる影響を受けない資金の動きで経営状況を把握させることになる。3.病院の開設主体により異なる会計基準病院を運営する開設主体には、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人、社会福祉法人、公益法人、医療法人、学校法人などさまざまな法人形態がある。いずれも、権利義務の帰属主体として社会的に位置付けられているが、なかには、病院運営を必ずしも主たる事業としていない法人もある。これらの法人は、それぞれの利害関係者の利用目的に適合した有用な財務諸表を作成しなければならないが、その焦点は施設単位ではなく法人全体に向けられている。そして、法人が財務的に適正に運営されているか否かを判断したり、法人の業績を評価したりするために財務諸表が活用されている。しかし、法制度や設立された経緯が異なるため、適用される会計基準が異なり、独立行政法人には独立行政法人会計基準、国立大学法人には国立大学法人会計基準、社会福祉法人には社会福祉法人会計基準などそれぞれの会計基準が適用される。そのため、同じく病院を運営していても、法人形態によって適用される具体的な会計処理方法や作成され図表 1-5 キャッシュ・フロー計算書のイメージ損益計算書収益 100利益  10費用 △90貸借対照表資産  800純資産150負債  650キャッシュ・フロー計算書Ⅰ 業務活動によるキャッシュ・フロー ×××Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー ×××資金の動きがわからない

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