決算書の前期比較術
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31Ⅰ貸借対照表をまず俯瞰する⁃⁃1 なぜ貸借対照表から読むのか 貸借対照表をまず俯瞰します。俯瞰の方法としては、「森から木」への見方を意識するようにします。 「決算書が正しく作成されているかを検証する」ことを目的とする場合、まず貸借対照表から前期比較するようにします。企業業績評価目的では、損益計算書から前期比較することが一般的かもしれませんが、決算書検証目的ではなぜ貸借対照表から前期比較するのが良いのでしょうか。 貸借対照表は、残高つまりストックを表します。一方、損益計算書は、損益つまりフローを表します。損益計算書を「原因」と捉えれば、貸借対照表はその「結果」です。「原因」であるフローの結果、「結果」であるストックが変化するということです。 前期比較する場合、前期と当期の「結果」の変化が、「原因」になっていると考えられます。売上を「原因」として売掛金という「結果」が生じるとすれば、売掛金が増加したということは、売上が増えたからではないかと想像できるということです(必ずしもそうであるとは限りませんが)。 このように「結果」の変化から「原因」をイメージして前期比較を行うことは、「おかしな数字」を見抜く上で、非常に効果があります。イメー

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