判断に迷う仕訳を起こせる会計術
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4Ⅰ なぜ簿記は理解しているのに実務に対応できないか2) 簿記学習と経理実務との違い経理実務上、「仕訳は何を根拠(資料)に起こすのか」ということが大変重要になります。簿記の問題等では、その「根拠」となる情報は、問題文として与えられていますから、後はどのような仕訳を起こせばよいかだけを考えれば十分です。しかし実務においては、「根拠」となる情報をどこから入手して起票するかということを知っておかなければなりません。つまり、取引の実態を表現する資料や証憑類などを把握していなければならないということです。たとえば、上記取引の場合、「当社は、A商品100円を掛で仕入れた」という情報をどこから入手すればよいのでしょうか。仕入先からの納品書からでしょうか、それとも請求書からでしょうか。あるいはそれ以外から入手した資料や証憑からでしょうか。結局、必要な情報を正しく入手するためには、取引がどのようなプロセス(手続)で実行され、どのような資料や証憑類が発行・入手されるかを知っていなければならないということです。上記のような仕入購買取引であれば、たとえば、以下のようなプロセスと、それぞれのプロセスで存在する資料や証憑類があります。【購買プロセスと関連する資料等】① 見積り…………見積書など② 社内承認………取締役会決議、稟議書など③ 契約・発注……契約書、注文書(控)、注文請書など④ 納品・入荷……納品書、入荷伝票など⑤ 検品・入庫……入庫伝票など⑥ 検収……………検収書など⑦ 請求書受領……請求書など⑧ 支払い…………総合振込依頼書、通帳など ※ 仕訳に関係するプロセス・資料とそうでないものとがあります。
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