第7章 労働安全衛生法 235いた所得税を納付することになります。この場合、給与を支払った雇用主側は、残業代を支払った各労働者等の過年度分の所得税の年末調整をやり直した上で、納付不足となっていた所得税分を、支払ったときの翌月10日までに納めなければなりません。また、給与の訂正作業としては、住民税の訂正のための給与支払報告書の再提出や、社会保険料の訂正のために算定基礎届出を再提出することになります。 これらの訂正の結果、納付が遅れたことによる延滞税等の負担も考える必要があります。また、修正した年末調整後、従前に確定申告を行っていた労働者は修正申告をする必要があります。2一定の金額を一括で支払うケース 一時金として支給時に確定されて賞与の支払いとみなされるために、支給を受けた年度の所得だけが多くなり、その年の所得税、社会保険料、翌年の住民税の負担だけが大きくなります。一方で、過年度分の給料の訂正等をする必要がなく、事務作業負担が少なくなり、延滞税等を負担する必要もなくなります。この方法を利用する場合は事業主側は1のケースより負担が大きくなるため、労働者の同意を得た上で調整する必要があります。 どちらの場合でも、労働者側が追加で負担するべき税金や社会保険料を雇用主側が負担した場合には、その分も給与所得とみなして源泉所得税を計算することになります。(執筆:深津 伸子、税務のポイント執筆:山田 美代子)
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