234科目の中でも福利厚生費に関しては、就業規則や社内規程の内容が税務上でも問題がないように十分検討しておく必要があります。 また、たとえば業績のよい会社が安衛法を基準にして、他社と比較して極端に突出して条件がよい安全衛生管理規程を作成することも考えられます。この場合には、社会通念上行き過ぎていないかを税務上の観点からも検討しておく必要があります。すなわち、条件のよい安全衛生管理規程を作成できることはすばらしいことですが、社会通念上相当額といえない場合は、税務上は現物給与として課税の対象になる可能性があります。 また、安衛法で規定されていない「人間ドック」であっても、所得税法上非課税となる場合もあります。人間ドックの検診費用が通常の社会通念上の費用として認められる範囲内であり、全社員を対象にして、検診の費用を本人に現金で支給せず、会社から直接診療機関に支払う場合は、福利厚生費として、現物給与にはなりません。2 時間外労働に関する税務のポイント1 税務のポイント 本章の労働安全衛生法には直接関連しませんが、ストレスに影響する時間外労働について税務のポイントである「過去の残業代を一括支給した場合の処理」について説明します。 一括支給する残業代の計算方法はいくつかありますが、代表的な2つの方法を説明します。どちらの場合も正しく残業代を支払っていたら負担しなくてもよかった延滞税等の税負担があります。また、過去の残業代を一括支給した場合には、雇用主には源泉徴収義務があります。1過去の給料の後払いとして労働時間に対応する給与の不足額を支払うケース 残業代を支払った年度ごとに年末調整をやり直して、納付不足となって
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