家族信託をもちいた財産の管理・承継
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第3節 家族信託における税務上の取扱い71 「みなし受益者」とは、信託の変更をする権限を現に有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている受益者以外の者をいい、この信託を変更する権限からは、信託の目的に反しないことが明らかである場合に限り信託の変更をすることができる権限を除き、他の者との合意により信託の変更をする権限が含まれる(法法12条2項、法令15条1項・2項、所法13条2項、所令52条1項・2項)。[2] パススルー税制とその制限(1) 受益者等が法人の場合受益者等課税信託は、信託に関する基本的類型であるため、受益者等が当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用は当該受益者の収益及び費用とみなして、法人税法、所得税法を適用するパススルーが原則とされ、受託者段階で独立に課税されることはないという原則が定められている。一方で、受益者等課税信託については、受益者が信託財産を有するとみなすことから、従来、信託において発生する損失について受益者が影響することに関して何らの制限もなかったが、信託法改正により信託の利用機会が大幅に拡大すると考えられること等から、課税の中立性・公平性確保の観点で、平成19年度税制改正で、信託損失に関する法整備がなされた。具体的には、①個人受益者の不動産所得に係る損益通算の制限(措法41条の4の2)、②法人受益者の信託損失の損金算入制限(同法67条の12第1項、措令39条の31第3項3号)等の規定が設けられている。(2) 受益者等が個人である場合所得税においても、受益者等課税信託に係る受益者等は、信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用を当該個人の収益及び費用とみなして、その所得の種類に応じて所得税が課税される(所法13条1項、同条2項)。このように、受益者等課税信託は、信託に関する基本的類型であるため、信託財産から生じ
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