家族信託をもちいた財産の管理・承継
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序―はじめに6 委託者兼受益者、すなわち第一受益者が委託者である自益信託であることが最も多い。自益信託の場合、受託者以外の配偶者等を第二受益者とするケースは比較的多く、その場合委託者死亡後も信託は継続する。 当初から他益信託の場合は、贈与税の課税が発生することとなり、多くは見られない。(4)信託関係人 営業信託の場合、受益者が個人の場合、受益者の指図能力の減退に備え、受益者の実際の需要に即した財産の交付等を確保するため、任意後見人を指図権者や同意者とするような規定をしているが、家族信託においては、受益者代理人等の指定がされているケースは現状それほど多くはない。委託者の成年後見開始との関係において、受託者と後見人の権限の干渉を避けるためにも、代理権目録の作成には注意が必要である。3.家族信託の問題点と専門家、信託銀行によるサポート 家族信託を健全に普及させるため、家族信託に関与する専門家や信託銀行は、委託者の意思能力の確認はもとより受託者の能力についても監督・サポートしていかなければならない。[1]受託者の能力 家族信託における受託者は、十分な知識や経験を持たない親族であるケースがほとんどである。信託は、受託者への信頼によって成り立つ制度であり、その受託者には、信託法において様々な厳しい義務が課されており、それは家族信託でも同じである。代表的なものとして、①善管注意義務、②忠実義務、③分別管理義務である。しかし、新しい信託法では、それらの受託者の義務は任意規定化され、当事者の契約により軽減が可能となった。家族信託においては、それらの義務を大きく軽減する受託者を作ることも可能であるが、信託の本質を骨抜きにすることにも繋がり、実効性を保てない可能性がある。
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