家族信託をもちいた財産の管理・承継
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序―はじめに5[4]信託当事者(1)委託者 ① 高齢者  高齢に伴い財産管理・財産承継に不安を持つ高齢者。 ② 地主  自宅及び自宅以外の賃貸不動産、区分所有不動産等を持つもの。  安定した財産管理、スムーズな財産承継を望むもの。 ③ 企業オーナー   後継者、後継予定者があり、オーナーに判断能力喪失後も死亡後も長期的な財産承継ニーズがあるもの。承継ニーズはあるが、信託時には経営権は承継させたくないケースも多い。 ④ 医師等   医院の事業承継のため、長期間にわたる財産の承継や民法上予定している順序以外での承継を望むものも多い。(2)受託者 ① 委託者の親族、一般社団法人   家族信託における受託者は、委託者の親族、一般社団法人であることが多い。一般社団法人では、現状、推定相続人である家族が社員となることがほとんどである。また、受託者が親族等個人のケースで委託者死亡により信託が終了しない場合は、後継受託者をあらかじめ設定することが通常である。 ② 司法書士、弁護士等の専門家   委託者が信頼できる専門家を受託者とすることを望むケースも散見されるが、一般に専門家が受託者となることは、信託業に該当することと解される可能性が高いため、受託が1回限りとしても受託者となることは少ないようである。(3)受益者

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