士業者のための実は危険な委任契約・顧問契約
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114とする契約解除を定めています(いわゆる受け皿規定)。 改正法542条2項は、債務の内容が可分であることを前提にしたうえで71同1号で債務の一部の履行が不能である場合を、同2号で債務者がその一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合を規定しました。(2)委任契約・顧問契約に与える影響 改正法542条の無催告解除は、相手方に催告を要することなく契約を終了させるものですので、債権者にとっては強力な手段となります。 そのため、委任契約・顧問契約においても、無催告解除ができる場合を規定しておくことは有用です。この点、委任契約・顧問契約において無催告解除ができる場合を規定していなくても、依頼者との間で、特に改正法542条の適用を排除することが合意されていない限り、同条が適用され、無催告解除をすることはできます。 しかし、上述のとおり、無催告解除は、債権者にとっては強力な手段となりますが、他方で相手方にとっては予期せぬ解除となり不利益が生じる場合もありますので、後々のトラブルを防ぐためには、委任契約・顧問契約において、同条の規定に従って、無催告解除ができる場合を明記しておくことが考えられます。71 部会資料83―2・10頁

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