士業者のための実は危険な委任契約・顧問契約
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第2章 民法改正が委任契約・顧問契約に与える影響(総則・債権総論)1112-33 債務の不履行が軽微であるときについてQ不履行が「軽微」(改正法541但書)とはどのような場合を指すのでしょうか。A判例では、貸主による軽微な賃料の滞納を理由とする解除が認められなかった事例67、土地の売買において、所有権移転の前から買主が土地の公租公課を負担する義務が約定されていたところ、売主による買主の同義務違反を理由とする解除が認められなかった事例68などがあります。 改正法541条但書は、これらの判例のように、不履行の部分が数量的にわずかである場合や、付随的な債務の不履行にすぎない場合を想定しています。もっとも、例えば、数量的にわずかな部分の不履行にすぎない場合であっても、その数量不足部分がその契約においてはきわめて重要な役割を果たしている場合には、「その契約及び取引上の社会通念に照らして軽微」(改正法541但書)とはいえませんので、催告解除が可能です69。 委任契約・顧問契約においては、例えば、依頼者が報酬や事務処理費用の一部を支払わなかったとしても、その不払い額がわずかである場合には、原則として、受任者は契約の解除はできないことになります。67 大判昭和14年12月13日判決全集7輯4号10頁68 最判昭和36年11月21日民集15巻10号2507頁69 部会資料79―3・13頁
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