士業者のための実は危険な委任契約・顧問契約
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第1章 委任契約・顧問契約のどこに注意すべきかiは し が き 2014(平成26)年3月に本書のお話をいただいてからはや4年近くが経過しました。 民法(債権関係)の改正の動きを契機とし、(主に弁護士以外の)士業の方々に対して委任契約・顧問契約について解説する書籍として執筆を始めましたが、当時の想定よりも成立・公布時期が遅れたことなどから、ようやく、今般出版に至ることとなりました。施行日も、平成32年(2020年)4月1日と決まっています。 本書は、上記のとおり、弁護士以外の各士業の専門家の方々を主たる読者層と考えていますが、かかる専門家の方々と依頼者との間の委任関係の各場面において、留意すべきこと、契約書に約定しておくべきことなどについて、民法(債権関係)改正に伴う留意点を踏まえて、詳細に解説することを目的としています。 第1章は委任契約・顧問契約の全般的な説明を、第2章、第3章は民法(債権関係)改正が委任契約・顧問契約に与える影響を、第4章は委任契約書のモデルを解説しています。 各士業の専門家の方々は、ともすれば、依頼者との契約内容について、あまり留意されていない場合もあるかもしれませんが、依頼者からの要求内容、要求水準、求められる説明の程度は年々高まっていくことが予想されます。かかる状況において、依頼者との間の契約関係の留意点をきちんと理解するとともに、それを適切に契約書に反映する、業務においてもその点を留意しながら実施していくことは重要といえます。 また、依頼者が高齢となり、意思能力に疑義が生じるケースもありうるところです。このようなケースにおいて、依頼者との委任関係、契約関係

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