社会福祉法人の法務・財務はこう変わる
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第1節 改正社会福祉法の内容39域住民等の信頼を得て、法人の活動に対する理解が深まることも期待されます。⑴ 定款の内容の開示1 定款の意義社会福祉法人の組織・運営・管理のすべてに関わる基本的なルールが、各法人の定める定款です。社会福祉法人は、定款に記載された内容に従って法人経営を行わなければならず、その目的の範囲を超えた行為は無効となると考えられています。そのため、法人の債権者にとっては、「債務者である法人が、定款に定められている事業目的どおりにきちんと活動しているのか」などといった点は、大きな関心事となります。また、評議員会は、理事・理事長に対する牽制機能を果たすのですから(本節●1⑵1参照)、その構成員である評議員も定款をチェックすることが求められます。2 定款の備置き・閲覧・公表改正法は、これらの理由から、定款を法人の主たる事務所および従たる事務所に備え置かなければならないと定めました。また、評議員および法人の債権者は、理由の有無にかかわらず、定款の閲覧や定款の謄本または抄本の交付を請求することができます。つまり、評議員や法人の債権者は、定款の閲覧などを通じて、法人の経営に対する監視の目を光らせることができるのです。加えて、改正法では、評議員や債権者以外の者であっても、定款の閲覧を請求することができるようになりました。本項の冒頭でも触れたとおり、社会福祉法人は、その適正な運営の確保について、国民に対する説明責任を果たすべきだからです。ただし、社会福祉法人は、「正当な理由」がある場合には、評議員や債権者以外の者による定款の閲覧を拒むことが

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