民法[相続法制]改正点と実務への影響
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第2章 遺産分割に関する見直し等42 また、民法第1028条第3項にて、配偶者居住権が遺贈の目的とされた場合についても本推定規定が適用されます。[8] もっとも、持戻し免除の意思表示は、一般に、遺贈や贈与の目的とされた財産の全体について認められるかどうかが問題となるものであり、その一部についてのみこれを免除するということは通常想定し難いことからすれば、この場合にのみ、目的物の一部について持戻し免除の意思表示があったものと推定することの当否は別途問題になり得ます。③ 遺贈または贈与によること 上記①②を満たした上で、居住用不動産を遺贈または贈与することが必要です。ここでの贈与は死因贈与を含むものと考えられます。本推定規定が贈与等なされた当時の被相続人の意思を推定するものであることからすると、上記②での居住用不動産は、贈与等を行った時点での利用状況を前提に判断されることになります。 もっとも、贈与等の時点で居住の用に供していなかったとしても、贈与等の時点から近い将来に居住の用に供する目的で贈与等した場合でも、本推定規定が及ぶとの解釈はあり得ます。 また、一度、居住用不動産の贈与をした者が転居等し、その後また居住用不動産の贈与をしたような場合には、先の贈与については相手方配偶者の老後の生活保障のために与えたという趣旨は撤回されたものと考えられ、明示また黙示的に持戻し免除をしないという意思が認められる結果、後の贈与についてのみ本件推定規定が及ぶと考えられます。(2) 相続させる旨の遺言 いわゆる相続させる旨の遺言があった場合においても、本推定規定の適用または類推適用されるかが問題となります。 この点、相続させる旨の遺言については、一般に遺産分割方法の指定であると解されており(最判平成3年4月19日)、相続させる旨の遺言がされ
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