歯科医院のマネジメント読本
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189歯科医院の経営戦略序 章第2章第3章第1章事例6.患者のニーズをキャッチする地域密着で診療にあたっている開業医の歯科医師にとっては、地域住民は全員が将来の見込み客となります。患者のニーズの把握と満足度向上へのたゆまぬ努力が歯科医院淘汰の時代において何よりの生き残り策になり得ることはいうまでもありません。よく見かけるスーパーやホームセンター等に掲示された「お客様の声」などは、患者の満足度をアップするために大いに参考となるでしょう。良い医療・良い治療には年々、歯科医院の数は増えており、競合は激化しています。患者が集まらず開業から短期間で資金ショートに追い込まれるケースも出てきました。今後、国の財政難から患者の費用負担増が再び実施される可能性もあります。もし実施されれば、患者からの評価が低い歯科医院では、大きな収入減に見舞われるでしょう。一方で、日本の個人金融資産1,500兆円のうち、全体のおよそ20%を50代、30%を60代、30%を70代以降が保有している現状があります。これらを合計すると、50代以降の中高年層が全体のおよそ80%を押さえていることになり、20~30代は、全体の10%さえも持っていない状況です。したがって、鍵を握るのは50代以降の中高年層であるといえます。もちろん中高年層でも、医療・介護に対してはお金を払います。目の前に「良い医療・介護」と「良くない医療・介護」を提示されれば、「良い医療・介護」にお金を投じるでしょう。自分自身が価値を感じるものに対しては積極的に投資し、価値を感じないものへはまったく反応しない時代なのです。患者アンケート調査の活用方法そのような中、既存患者の満足度を確認するためには「患者アンケート調査」が一番です。これにより自院の弱みや要望、期待する自費メニュー等を見つけることができ、そこを改善することで、既存患者の満足度アップを行うことが口コミにつながるのです。患者アンケート調査を実施する際のポイントは、以下のとおりです。

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