中小企業のための事業承継ハンドブック
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Ⅱ 事業承継スキームと関連法規172イ.手続き 当該無議決権株式の交付は、種類株式の発行になるため、定款での定めを行った上で、その交付を行う必要があります(会108②三)。定款の定めがない場合には、株主総会特別決議により、定款の変更手続が必要となります(会309②十一)。③ 全部取得条項付株式の活用(種類株式の活用)50ア.概要 対策の3つめとして、全部取得条項付株式を用いて予め少数派株主を排除することが挙げられます。具体的には、全部取得条項付株式の取得条項発動を行い、現金を用いて清算することで少数派株主を排除することができます。また、会社の資金に余裕がない場合などは、全部取得条項付株式の取得条項発動による株式取得の対価として、無議決権株式を用いることでも同じ効果を得られます。イ.手続き 全部取得条項付株式の取得条項発動による株式取得の対価として、現金を用いる場合の手続は、Q3-4の「3.⑴後継者に対する議決権の集中及び拡散防止 ③全部取得条項付株式」を参照してください。また、全部取得条項付株式の取得条項発動による株式取得の対価として、無議決権株式を用いる場合には、以下の流れで手続きを行います。⃝定款を変更し、すべての者が保有する普通株式を全部取得条項付株式に変更する⃝取得条項を発動し、対価として無議決権株式を交付する⃝現経営陣に対して、普通株式の発行を行う49 無議決権株式の評価に関しては、Q8-10を参照してください。また、無議決権株式を発行する場合、売渡しによる持株比率の変更に伴い、株主間に経済的利益の移転が生ずることによる贈与の問題も、あわせて検討する必要があります。50 全部取得条件付株式を発行している場合、その取得に伴い持株比率の変更が生じ、株主間で経済的利益の移転が生ずる場合には、贈与の問題とあわせて検討する必要があります。

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