中小企業のための事業承継ハンドブック
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第1章 事業承継概論53 [uncountable] the act of taking over an ocial job or position, or the right to be the next to take it この3を訳すと、「重要な業務や地位を引き継ぐ行為、もしくは次に受け継ぐ権利」となります。この定義がわかりやすいので便宜的に本書における事業承継の定義を、「事業における重要な業務や地位を引き継ぐ行為、もしくは引き継ぐ権利」としておきます。2.「事業承継対策」とは 事業承継を便宜的に「事業における重要な業務や地位を引き継ぐ行為、もしくは引き継ぐ権利」としましたので、ここでも便宜的に事業承継対策を「事業における重要な業務や地位を引き継ぐ準備、もしくは引き継ぐ権利のための準備」と定義しておきます。 ただし、こうした定義だけでは、実務家としてはあまり役に立ちませんので、物事を考えるときの“5W1H”を若干アレンジして“4W3H”の考え方に従って、事業承継対策を定義します。具体的には、以下のとおりです。 「何を」(What) 「誰から」(from Who) 「誰に」(to Whom) 「どれだけ」(How much, many) 「いくらで」(How much) 「いつ」(When) 「どのように」(the way How) 以下、それぞれについて表形式で具体的に検討します。また、この検討の順番も大切です。⑴ 「何を」(What) 事業承継対策の対象となる権利等は経営権と財産権という分類がされることがありますが、会社法上の種類株式等により株式に表象される議決権相当と財産権相当を切り離して考えることが可能になりました。一方で、経営者の個人所有財産で会社の担保に供されているものや会社に対する貸付金等も当然に事

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