経理担当者、士業のための 最短で導き出す 分配可能額
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119第2章 分配可能額算定法のShortcut①(自己株式に関する調整)生した自己株式処分差額」の欄には、処分対価12と処分した自己株式の簿価8の差額である4を記入します。その結果、分配可能額への影響は-10と計算されます。-10の要因分析をすると、計算された「分配可能額への影響」のうち、自己株式の期末残高によるものが-10なので、それ以外の要因はゼロと計算されます。つまり、期末日後に自己株式を売却しても、分配可能額には影響を及ぼさないというわけです。結局このケースでは、期末の自己株式残高を分配可能額のマイナス要因ととらえるのみでよいということになります。期末日後に自己株式を消却(ケース4)最後のケースは図表2-6です。このケースでは自己株式の消却を扱います。期末に保有していた自己株式の一部を期末日後に消却するというケースです。自己株式の期末残高が10、期末日後に消却した自己株式の簿価が8なので、分配時に残っている自己株式は2です。その2を「自己株式の帳簿価額」の欄に記入します。そして、消却した8を「最終事業年度末日後の自己株式消却簿価」図表2-5:自己株式に関する取引が分配可能額に与える影響(ケース3)最終事業年度末日後に自己株式を処分した場合(期末残高=10、うち8を期末後に12で売却する)分配可能額に対する影響-自己株式の帳簿価額会社法461条2項3号2-最終事業年度末日後の自己株式処分対価額会社法461条2項4号12+最終事業年度末日後に発生した自己株式処分差額会社法446条2号4-最終事業年度末日後の自己株式消却簿価会社法446条5号0合計分配可能額への影響額-10上記合計に含まれる最終事業年度末日の自己株式残高による影響-10差引0

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