合併・分割・株式交換等の実務
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 このような制度変化の中で、本書は読者の皆様のおかげで、平成12年初版発行以降、平成17年まで毎年改訂を重ね、平成19年・20年・22年・24年となんと10次にわたる改訂を重ねてきました。この度の改訂版は実に7年ぶりとなります。読者の皆様から「いつ改訂版が発行されるのか」というお問い合わせを数多く頂きながらその声にお応えできなかったこと、先ずもって編者・監修者として深くお詫び申し上げます。 さて、本書は久方ぶりの大改訂となりますので、前版の平成24年2月改訂版発行以降の制度改正を簡単に振り返ってみます。法制面では、平成26年に、①キャッシュアウト法制の整備、②詐害的な会社分割における分割会社の債権者保護のための規定の新設、③株主による組織再編の差止請求制度の拡充などの大きな改正がなされています。平成29年改正では反対株主買取請求等の際に適用される利率が年6%から変動法定利率に改正されています(2020年4月1日施行)。これらの改正諸項目に関しては、設問を新たに設けて対応しています。 また、会計面では、平成25年9月13日に「連結財務諸表に関する会計基準」も含めて、「企業結合に関する会計基準」、「事業分離等に関する会計基準」、「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」が改正されています。主な改正は、①支配が継続している場合の子会社に対する親会社の持分変動の差額を損益ではなく資本剰余金に計上、②「少数株主持分」を「非支配株主持分」への表示の変更、③取得関連費用を取得原価に含めず発生した事業年度の費用として処理し、主要なものを注記開示、④暫定的な会計処理の確定の取扱いです。特に、①は企業組織再編の会計処理に極めて大きなインパクトを与えるものです。本書では、計算設例を多く設けて、仕訳を示して、読者の具体的な理解を進めていただけるように工夫を凝らしました。なお、平成25年改正基準への対応として、「財務諸表等規則」・「連結財務諸表規則」(平成26年3月28日改正)・「会社計算規則」(平成27年2月6日公布・平成27年5月1日施行)も改正されています。その後の改正から平成31年1月の「企業結合に関する会計基準」等の改正まで、これらすべての改正に対応しています。 最後に、税制面ですが、平成24年2月改訂版(平成23年度改正までをカバー)の発行以降、平成24年度こそ、企業組織再編で大きな税制改正はありませんでしたが、その後、毎年恒例行事のごとく組織再編税制の改正が行われました。

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