個人情報の取扱いと保護

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はじめに個人情報保護法が、平成27（2015）年9月に改正され、平成29（2017）年5月30日から、個人情報を扱うほぼすべての事業者に個人情報保護法が適用されることになりました。これまで、この法律は、取り扱う個人情報の数が5，000人分以下の小規模な事業者を対象外としていたことから、その個人情報の取扱いについては各事業者の判断に任されていました。しかし、平成29（2017）年5月30日からは、小規模事業者であっても個人情報保護法のルールに従って個人情報を取り扱う必要があります。今回の改正により初めて個人情報保護法に対応することとなる不安から、本書を手にされた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。個人情報保護法が求めるルールのほとんどは、個人情報を「何のために使うか決める」「盗まれないようにする」「勝手に他人に渡さない」等々、ごく当たり前のことばかりです。本書は、主に新たに個人情報保護法の対象となる中小企業のご担当者を念頭に置き、押さえておくべき基本的なポイントや想定される疑問点についてＱ＆Ａ形式でまとめたものです。「第1章総論」では、個人情報保護法の趣旨や適用される事業者について解説しています。「第2章事業者の義務」では、基本的な用語の定義とともに、事業者が守るべきルールについて、「取得・利用に関するルール」「保管等に関するルール（安全管理措置）」「提供に関するルール」「開示請求等への対応に関するルール」等に分けて解説しています。「第3章個人情報の取扱いについて監督・指導する機関」では、個人情報保護委員会の概要などについて解説しています。本書が、個人情報保護法の実務対応の一助となれば幸いです。なお、本書は、筆者が個人情報保護委員会事務局においてガイドラ