現場が知りたい マイナンバー実務対応
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はじめに番号法(マイナンバー法)が施行されて、5か月が経過しました。内閣官房の特設サイトの拡充や各種コマーシャル等で、マイナンバー制度の概要は広く認知されてきたといえるでしょう。各事業者の皆様は、番号法や関連法令に従ってマイナンバーを適切に扱うため、社内規程の整備・見直し、セキュリティ対策の検討とシステム会社からの聞取り、社内研修等を行われたことと思います。その一方で、未だ番号法の段階的施行の中にあって追加情報が各省庁から発表される状況が続いています。また、マイナンバー等特定個人情報の取扱いにあたって、どのような組織体制が求められるのか、取扱規程はどのように定めればよいのか、どの程度のセキュリティが求められるのか等、マイナンバーの具体的運用については各事業者の判断にゆだねられる部分も多く残されています。そのため、「この書類には、まだマイナンバーを書かないほうがよいのか」「小規模なので全部紙媒体で管理することにしたが、どのような点に気をつければよいか」「管理状況の監査(確認)はどの程度の頻度で行うのがよいか」といった戸惑いの声をお聞きすることもあります。本書では、番号法の概要を解説した上で、番号法施行前後に執筆者らが実際に受けた質問・疑問を集めました。特に、医療、福祉、教育といった分野における各種法人、PTAやマンションの管理組合等の各種団体におけるマイナンバーの取扱いにおいて、一般の企業とは異なる場面はあるのか、あるとしたらどのような場面なのか、または非正規従業員や障がい者といった、新卒社員を正規雇用したような場合と異なる考慮要素はあるのか等の「マイナンバーをめぐるレアケース」ともいえる場面を取り上げました。番号法に関しては、預貯金口座への付番を含む平成27年法改正、さらに
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