そして、やりたくなくなる業界に多くの場合共通しているのが、本書でとりあげる「クラウド化」が進んでいないという状況です。では、なぜ会計業界のクラウド化が進んでいないのか。原因の考察や解決方法は本編で詳しく解説しますが、筆者は既に20年弱会計業界に身をおいています。そのため、既存の会計実務の状況も、長くクラウド化できない理由も非常によくわかります。それらの理由を踏まえた上で、1つの答えとして、筆者の事務所の取り組みや実体験を中心に本書を執筆しました。本書で最も伝えたいのは、会計事務所のクラウド化とは『意識改革』だという事です。●なぜ、当たり前に事務所に足を運んで仕事をするのだろう。●なぜ、紙の資料がなくならないのだろう。●会計事務所で報酬をもらって仕事をするってなんだろう。●得る報酬に対して提供している価値ってなんだろう。このような疑問は事務所をクラウド化していく過程で筆者自身が自問自答しそして再定義していったことを実感します。 一方でクラウド化で業務を効率化すればするほど変えなくてよいものや大切にすべき本質も見えてくる気がしてきます。クラウドで何を効率化し、そして何を残すのか。『会計業界に従事する者としてみんな一度立ち止まって考えてみよう』そんな思いを込め現役税理士が書いた、会計事務所目線の会計業界従事者に向けた『会計事務所クラウド化マニュアル』です。ぜひ、ご一読いただければ幸いです。2019年2月税理士 葊升 健生
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