会計事務所クラウド化マニュアル
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はじめにここ数年、会計業界のあちらこちらでこのような声を聞くことが多くなりました。「いいや!会計業務がなくなるわけがない」「紙のレシートなどがある限り、記帳代行がなくなるはずがない」反対意見も様々ありますが、筆者の見解はこうです。「会計事務所はなくならない。しかし、今の会計業務のうち正しい数字を作るような業務の大半はやりたくない仕事になる」会計事務所がなくなってしまうわけではありません。また、記帳代行もなくなるわけではありませんが、仕事があったとしてもやりたくはない。つまりは、記帳代行の帳簿作成を例にあげましょう。報酬を時給換算した際に、「時給3,000円ならやりたい」と手をあげる人は多いはずです。しかし、時給換算したら300円にしかならなければ……。そのような仕事をみなさんはやりたいと思うでしょうか。おそらく、やりたくないはずです。本編でも触れますが、昨今会計業界は慢性的な人手不足といわれています。人手不足といわれる業界に共通するのは、労働条件や労働環境に対して賃金が安いということです。当然、労働条件などに対して賃金が高い方が、人も集まります。一方で賃金が安い業界は「やりたくなくなる業界」なのです。だから人が集まらないのです。

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