士業者が身につけたい 顧客をつかむ面談術
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158「今はちょっと忙しくて、そこまで調べられません」「3か月後であれば、その案件は引き受けることができます」前者に対しては、相手は「自分のことは大切でないのか!」となりますし、後者だと、「では3か月後にお願いします」と言われてしまう可能性があります。結果として、先生ご自身の首を絞めることになりかねません。 また、当該案件は断るにしても、将来的にビジネスパートナーとして関係を築きたいと思うのであれば、ただ断るだけではなく、別の提案ができるとよいでしょう。依頼を断る場面でも、誠意をもって対応すれば、思わぬビジネスチャンスが舞い込むこともあるでしょう。代案を出し、最後まで親身に話を聞く 先生から断わられた依頼者は、その後どうすればよいのでしょうか。自らが抱える問題を解決する道が絶たれるわけです。そこで、何か代替案を探して提示するようにしましょう。たとえば、他の士業者や、専門の窓口、公的サービスなどを紹介するのも一案です。そうすることで、依頼者に対し、誠意をもって“協力する姿勢”を見せることができます。 もちろん、代案を出したくても出せない場合もあることでしょう。要望をかなえる術はないと知ってもなお、相手は、まだ自分の目の前に士業者というプロがいて、その人と話をしているということだけで、わずかばかりの安心を得ているはずです。ですから、途中で話の腰を折ったりせず、最後まで親身になって話を聞くだけでも、相手の気持ちはすっきりとし、わざわざ訪ねてきたことを徒労だとは感じなくなります。くれぐれも悪い感情を与えないよう、断り方に気をつけて、最善の努力をしましょう。

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