ただ、この説明順序でネックとなるのは、エクセルが少し苦手という人の場合、「関数」のところで挫折してしまうケースが多いことです。使い慣れている人にとっては何でもないことでも、苦手意識のある人にとっては、様々な「関数」の作法を覚えるのは結構な苦痛です。結局、グラフなどの機能を覚える前に心が折れてしまうのです。本書では、基本機能の説明をした後、「関数」をすっ飛ばして、いきなりグラフ機能を使ったデータ活用方法の説明に入っていきます。でも、心配はいりません。「関数」を知らなくても、グラフの機能は使えますし、よっぽど覚えやすいですから。グラフなので、ビジュアル的な変化が見えて、おもしろく感じると思います。そういう意味で、エクセルが苦手な方であっても安心して読み進めていただけるようになっています。しかも、たくさんの「関数」を駆使して何かするよりも成果を出しやすくなっています。ただし、条件があります。本書で紹介する方法で成果を上げられるのは、会計データに簡単にアクセスできる人(税理士、会計士、経理担当者その他)だけです。かなり限定的な使い方なのも事実です。でも、それでいいんです。みなさんは、その特権を存分に活かして、他の人にはマネできないやり方で成果を上げていきましょう。2019年1月税理士・中小企業診断士 上野 一也
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