税理士事務所 7つの経営戦略
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iはじめにはじめに税理士業界を取り巻く状況税理士を取り巻く環境は、ここ10年の間に大きく変化しています。ITの普及、高齢化社会、税理士法改正、相続税法改正などの影響に対し、多くの税理士事務所が様々な取組みを行っています。困難な局面に直面している税理士事務所もまた多いというのが事実です。しかし、総務省統計局のデータによると、税理士事務所業界全体(税理士・公認会計士)の平成24年の売上は1兆3千400億円と、前年に比べると11・6%もアップしています。顧問料の低下など、厳しい話題の多い税理士業界ですが、マーケット全体でみるとしぼんでいるのではなく、僅かではありますが広がっていることがわかります。ただ、一方で気になるデータもあります。日本全体でみると、平成3年を境に、開業率が廃業率を上回り続けています(「中小企業白書2014」)。1999年以降、廃業率は6%前後で推移しており、開業率はそのときの景気によって大きく左右されます。近年では、開業率は増えていますが、少子化などの影響が今後、ますます大きくなってくることを考えると、廃業率は今後も同程度で推移していくでしょう。つまり、現在の取引先が100社の税理士事務所は新規の顧客と契約をしなければ、毎年取引先

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