要点スッキリ解説 固定資産税
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 はじめに固定資産税は不動産を保有する法人・個人に対して課される税金であり、不動産所得を稼得する個人や不動産管理会社の主要な経費として、実務上重要性が高いといえます。また、固定資産税の課税標準である固定資産税評価額は、相続税・贈与税における不動産の財産評価とも密接に関わっており、固定資産税の基礎的な素養は、不動産関連の税金に携わる税理士を含むすべての専門家にとって必須の知識となっているのが実情です。また、あまり意識されていないことですが、固定資産税は土地や家屋といった不動産のみならず、償却資産も課税物件です。この償却資産については、法人のみならず個人事業主にも申告義務があり、かつ納税義務者となるため、税理士実務においても意外に重要性が高い項目であるといえます。しかも、償却資産に対して固定資産税を課税するのは国際的に見てもあまり例がなく、課税根拠を疑問視する声もあるところですが、平成28年度の税制改正で新たに、新規機械装置の投資に対する償却資産税の特例が創設され、見直しの機運が高まっているところです。しかし、固定資産税は地方税であることから、①実務が国税に偏りがちな税理士等の実務家には地方税そのものが一般になじみが薄いこと、②申告納税中心の国税とは異なり、納付税額がもっぱら課税庁の処分によって確定する賦課課税方式を採用しているため、どうしても受け身の対応となりがちなこと、といった理由で、多くの税理士が何となく「苦手意識」を持っている税目であるように思われます。そのような実務における状況を踏まえ、本書は、これまで固定資産税にあまりなじみのなかった税理士や不動産関連業務に携わる実務家に向けて、固定資産税の基礎的な事項を、Q&A形式と図解を多用することにより可能な限り平易に、かつ体系的に説明することを目的に書かれたものです。

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