税理士損害賠償請求事例にみる事故原因と予防策
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はしがきこの事故事例集はProfession Journal(株式会社プロフェッションネットワーク)に毎月1回のペースで連載中の「税理士損害賠償請求頻出事例に見る原因・予防策のポイント」の掲載事例をベースに作成されている。もともとの連載の趣旨は、『実務において頻出しているミスや、起こりうる事故を事例として紹介し、どのようにして事故が起きたのか、事故のポイントはどこか、税理士の責任はどこにあるのか、そしてどのようにすれば事故は防げたのかを考え、その予防策を探っていこう』というものである。今回、この趣旨をそのままに、事例数を大幅に増やし、頻出事例を網羅することによって、類似の事例を探し出し、実務上注意すべき点を事前に抑えたり、トラブルが発生した際の、損害額や回復額の考え方、さらには、採りうる回復の手段の有無を確認できるような、いわば辞書のような使い方のできる事例集をイメージして一冊の本にまとめたものである。具体的には次のような点が本書の特徴である。まずは税目を「法人税」「消費税」「所得税」「相続税・贈与税」「その他の税目」に分けて合計100の頻出事例を掲載した。また、税目ごとに一覧表を作成し、「キーワード」を昇順に並べて探しやすいように工夫するとともに、その横に「タイトル」欄を設け、それを読んだだけである程度事例の内容が判るような記述を心がけている。そのほかにも「責任」「損害額」「控除できる額」「回復の手段」「未然防止策」欄を設け、事例のポイントが一覧で見られるようにした。各事例については、「事例の概要」に加え、内容が把握しやすいように「ミスに至った経緯」を時系列にまとめた。「基礎知識」は事例を確認する際に助けとなる最低限の内容にとどめた。そして、核心部分である「ミスの原因」「責任の所在」の次に「負担すべき損害額」を設け、事例における損害額とはどの部分をいい、いくらになるのか、「損害額から控除できる額」では、損害額から控除できる損益相殺等はあるのか、「損害を回復する手段」では、採りうる回復手段には何があるのかを記載した。「未然防止策」は、事例の

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