税理士損害賠償請求事例にみる事故原因と予防策
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     事例の概要平成X1年9月に法人の設立と同時に関与し、設立届出書一式の作成、提出の依頼を受けたが、「青色申告の承認申請書」の提出を失念したため、白色での申告となってしまった。さらに申告書の提出を電子で行っていたため、気付くのが遅れ、白色での申告は設立初年度である平成X2年3月期から平成X5年3月期までの4期に亘る。このため、この4期に亘り計上されてきた欠損金930万円を繰越控除することができなくなってしまい、繰越控除できなくなった欠損金に係る法人税等200万円につき損害が発生し、賠償請求を受けた。 ミスに至った経緯H X1. 9 会社設立。H X1.12 設立関係届出書を提出するも「青色申告の承認申請書」の提出失念。H X2. 5 平成X2年3月期の法人税を白色で申告(欠損金30万円発生)。H X3. 5 平成X3年3月期の法人税を白色で申告(欠損金850万円発生)。H X4. 4 電子申告のメッセージボックスを確認して、白色であることに気付く。H X4. 5 平成X4年3月期の法人税を白色で申告(欠損金20万円発生)。H X4. 5 青色申告の承認申請書を提出(平成X6年3月期から青色申告)。H X5. 5 平成X5年3月期の法人税を白色で申告(欠損金30万円発生)。事例2(法人税)「青色申告の承認申請書」の提出を失念したため、青色欠損金の繰越控除ができなくなってしまった事例12H X1. 9H X1.12H X2. 5H X3. 5H X4. 4H X4. 5H X4. 5H X5. 513第1章 法人税編

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