実務に対応する税務弁護の手引き
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6  序章 租税法の独自性(3) もうけがある人のほかにも、財産を持っている人も担税力があるから課税すべきということになる(資産課税)。 不動産等の固定資産を保有する者には固定資産税等を賦課する。  現金や預金に対しても課税すべきかもしれないが、毎年これを行うのは難しそうである。そこで、相続のときに相続税として被相続人のすべての財産から債務を控除した残額に課税することとする。生前に贈与することによる相続税回避を防止するため、贈与税も課税する。(4) また、人々がものを購入したりサービスの提供を受ける際に支払う対価(消費)にも担税力があるとして、消費税という制度も設けることとする。これにより、国民全般に、広く、薄く税負担を求めることとする。(5) このほかにも様々な税目があり、現在の日本の税収はつぎの表のような分布となっている。 このうち、法人税、所得税、消費税が多くの割合を占める。相続税の税収はさほど多くはない(平成27年に基礎控除の引き下げによって課税ベースが拡大したが、それでも相続税を負担する者は少数である)。法人税、所得税は、景気の波に税収が左右され、消費税はさほどの変動はないと言われている。図表1 法人税の税額計算の仕組み取引・仕訳○○/△△確定決算会計帳簿P/LB/S利益算出税務調整法人税申告書所得算出税額算出別表4別表5

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