税務調査事例からみる役員給与実務Q&A
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244て一括して損金の額に算入することができる*3、とされている。 一方、役員退職年金は上記取扱いとは異なり、年金を支給すべきタイミングで損金の額に算入することとなる(Q3︲6参照、法基通9-2-29)。したがって、年金の総額を未払金に計上しても、そのタイミングで全額を損金に算入することはできない(法基通9-2-29)。 わが社は中堅の製薬メーカーですが、この度長年にわたりわが社の経営を担ってきた代表取締役会長Aが会長職を退任し、取締役相談役(非常勤)に就くこととなりました。相談役就任後は、週に2日程度出勤して、大所高所からの経営のアドバイスをしてもらうこととなります。役員報酬も、現在の月200万円から30万円へと大幅にダウンする予定です。 わが社は、今回の会長退任を機に、A氏に役員退職慰労金を支給することを検討していますが、非常勤とはいえ取締役に留まるA氏に対し役員退職慰労金を支給する場合、税務上、その金額を損金に算入することができるのか心配されるところです。仮にその金額そのものが妥当とした場合、A氏に対して支給した役員退職慰労金は損金に算入できるのでしょうか?役員の分掌変更の場合、支給する退職金は損金算入されるか23*3 小原前掲書(第2章*8)766頁

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