税務調査事例からみる役員給与実務Q&A
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はじめに 本書は、役員報酬及び退職金にかかる法人税法の取扱いが平成17年の会社法の施行に伴う平成18年度の税制改正で大幅に変更されたことを受けて、平成24年に出版された「税務調査事例からみる役員給与の実務Q&A」の改訂版である。 前版が出版されるきっかけとなった平成18年度の法人税法の改正は、役員報酬は役員賞与を含めて「役員給与」という概念で一本化し、当該役員給与は原則「損金不算入」とする一方で、定期同額給与や事前確定届出給与等、一定の要件に該当するもののみ損金算入とする大改正であった。当該改正の是非はともかくとして、その結果、いかなる要件を満たす役員給与が損金となるのか理解することが、実務上極めて重要になっているところである。 その後、役員給与に係る法人税法の改正を巡る経理担当者や税理士からの疑問や批判に応えるべく、国税庁は数次に渡り質疑応答事例や通達を発遣してきたが、「不相当に高額な部分の金額」という不確定概念に関する解釈や分掌変更に関する役員退職金(役員退職給与)を巡る事案を中心に、未だ確立した見解がない事項が多く、審査請求や裁判で争われる事案は後を絶たない。 また、平成28年度の税制改正では、一定の特定譲渡制限付株式による届出不要の事前確定役員給与が導入された他、利益連動給与の算定方法に関する指標が変更される等、新しい役員報酬制度に対応する法人税法の改正がなされているところである。 役員給与の税務上の取扱いに関する納税者や税理士の関心は、平成18年度の改正から10年を経過した今現在でも引き続き高く、それを反映して類書も既に多数刊行されている。そのような中で本書の特徴を挙げれば、
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