税理士が使いこなす 改正国税通則法
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分庁・国が、立証責任を負うことを前提に、個々の規定の趣旨・構造、当事者間の公平等を考慮して、立証責任の所在を決定していくべきであろう2-34。 ただ、租税法が、例外的に、立証責任に関連した規定を設けている場合がある。いわゆる「推定」といわれる規定である。 例えば、所得税法(平成26年改正前)7条1項は、次のように規定している。【所得税法】(課税所得の範囲)第7条 所得税は、次の各号に掲げる者の区分に応じ当該各号に定める所得について課する。一 非永住者以外の居住者 すべての所得二 非永住者 第161条(国内源泉所得)に規定する国内源泉所得(以下この条において「国内源泉所得」という。)及びこれ以外の所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの三 非居住者 第164条第一項各号(非居住者に対する課税の方法)に掲げる非居住者の区分に応じそれぞれ同項各号及び同条第二項各号に掲げる国内源泉所得 (以下略) 居住者、すなわち、「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人」にあたるか否かによって、課税所得の範囲が異なるから、国内に住所を有することは、課税要件(のひとつ)ということになる。 そして、所得税法施行令14条1項は、次のように規定している。【所得税法施行令】(国内に住所を有する者と推定する場合)第14条 国内に居住することとなった個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有する者と推定する。一 その者が国内において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。2-34 泉徳治他/司法研修所編『租税訴訟の審理について(改訂新版)』(法曹界、2002年)168頁49第3節課税要件論
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